Zippo基礎講座・【は行】
ハイポリッシュ加工
polish 【名】 磨くこと、研磨。ZIPPOライターの表面を鏡面に仕上げる加工法。クロムメッキに限らず、ブラス(真鍮)、カッパー(銅)、スターリングシルバー(銀)などにもポリッシュ加工のバリエーションが存在する。
パテント・ナンバー
特許番号のこと。1936年にUSパテントの申請認可を受け、ライターの底部にパテントナンバーを刻印するようになった。最初のパテントナンバーは「2032695」で、ヒンジ・キャップ付きのポケットライターに関する特許番号。後に、1953年よりフリントチューブに関するパテント・ナンバー「2517191」に変更され、パテントナンバーの刻印は1967年まで続いた。
バレット・スマイス
1992年にZIPPO社が技術提携した、ニューヨークの彫金工房。
バレル加工
バレル加工とは、容器(バレル)に被研磨物(ここではZIPPO)と研磨材をいれ、バレルの運動により研磨する加工法。これにより、ブラッシュド加工やメッキ加工には無い、独特の石ころのような表情が出る。
パントグラフ
1950年代半ばまで、ZIPPOライターの表面の絵柄加工は拡大縮小彫刻機(パントグラフ)によって従業員の手作業で行われていた。何種類もの回転刃(カッター)を使い分けて行われる職人的な加工法であった。その後、高度なエッチング加工がとってかわり、手作業ならではの素朴な味わい深いパントグラフによる加工は姿を消す。現在のZippo社にもカッターによる彫刻加工はあるが、コンピューター制御加工である。
ハンマートーン(ツチメ加工)
職人がハンマーで素材を叩くことで作り出す表面加工です。均一でない模様、暖かみのある雰囲気が特徴で、光の具合で独特の表情を見せてくれます。
ビジターセンター
アメリカ、ブラッドフォードのZippo社の敷地内にあり、ZIPPO社と、傘下のケース社の歴史や様々な資料を展示する博物館。創業当時のZippoや、修理部門をガラス越しに見ることができる。
ヒンジ
ケースの上部(トップ)と下部(ボトム)を繋ぐ蝶番。幾度も改良を重ね、現在ではスタンダードなレギュラータイプで5連形状に。1941レプリカモデルでは4連形状となっている。また、ライターを開閉するときは必ずインナーを入れた状態で行うこと。インナーが無い状態で開閉すると、ヒンジに横方向の力がかかり破損する場合がある為。気をつけないと壊れやすい部分でもある。
ファイヤースターター
2010年夏に初登場したZippoブランドのアウトドアツール。オイルがなくても火種を確保できる着火スティックを内蔵している。
フェルトパッド
レーヨンをインサイドケースに詰め込んだ後、ケース内部にセットされる。オイル止めの役割があり、オイルの揮発を最小限にとどめている。
ブライト・カット
表面に凹凸を付け光の反射によってデザインに輝きを持たせる加工。銀食器などによく用いられ、ZIPPOではサテンクロムベースの物に多く見られる。
ブラス(真鍮)
ZIPPOライターは主にBrass(ブラス:真鍮)という材質で作られている。Brassとは、銅を主体に亜鉛を混ぜた合金で、比較的固く、加工がしやすいという特徴を持っている。身近な所ではドアノブやランプの傘などに使われている。また、真鍮そのものは黄金色をしていて、通常は真鍮で作られたケースにクロムメッキやPVDコーティングを施すが、Brassにクリアコーティングを施しただけのモデルもある。
ブラッシュド加工
ZIPPOライターのケース表面に施される加工の一つ。横方向に研磨され、光沢を落としてあるものをブラッシュド加工と呼びます。また、サテーナ、ヘアーラインとも呼ばれます。横方向に研磨することにより、ライター本体は縦長ボディであるにもかかわらずどっしりとした印象を受けます。傷、汚れが目立ちにくい加工です。
フラットトップビンテージ
その名の通り、トップ(蓋)の上部がフラット(平ら)になったモデルです。創業当時のZIPPOをイメージして作られました。当時ケースはブラスの角材を輪切りにし溶接でヒンジを付けた物で、かなり角張ったモデルでした。また、角の斜線もライターに装飾を施す創業当時の試みでした。
ブラッドフォード
アメリカ合衆国。ペンシルベニア州北部。ZIPPO社創業の地。19世紀後半に原油が発見され、石油の街として発展した。
フラットボトム
ZIPPOライターのボトム部分(底部)には、外縁に対して中が窪んだ(上げ底のようになっている)キャンドボトム(Canned Bottom)と、底が平らなフラットボトム(Flat Bottom)の2種類あります。一般的に採用されているのはキャンドボトム。フラットボトムは2次加工を前提とした、日本市場向け。
フリント
発火石。2.5mm程の小さな部品でホイールとの摩擦で火花を出す。消耗品の為交換する必要があるが、ヘビーな使い方をする人でも1ヶ月以上の耐摩耗性がある。通常であれば交換時期は”忘れた頃にやってくる”。交換のサインはホイールが堅くて回らなくなった時。フリントはコンビニでも安価に買えるので無理に回さずにすぐに交換すること。予備に1個か2個インサイドユニットの中のフェルトをめくって入れておくと良い。
フリント・スプリング
スプリングと一体になった下部のネジ部分を締め込むことによってフリントをフリントホイールに押しつけている。フリントが摩擦により減ってきてもスプリングの弾力によりホイールの空回りなどの悪影響をうけずに済む。安定した火花を散らす為に不可欠な部品。
フリント・ホイール
着火する際指で回転させる円筒状の部品。リベットで固定される。フリントと接するヤスリの部分は網の目状の目立てになっており、これによりフリントが片減りすることなく大きな火花を出せる。1946年に改良され現在の形状となり、のべ73000回の発火が可能。
フルカバーZippo
Zippoケースの上からさらにカバーを装着し、ボリューム、存在感をアップさせた商品群。真鍮製カバー、アルミ製カバーなどがある。
古美仕上げ
メッキした金属を化学的に酸化させ、表面を布バフ研磨します。すると少しくすんだ感じのアンティーク調に仕上がります。照明器具などのインテリア商品、装飾品などにも広く利用されています。真鍮いぶし仕上げとも呼ばれ、保護コーティングされています。
フロップオーバー
フリントがフリントチューブをすり減らし、変形させ、ライターが作動しない状態。1950年に改良され、以降、同様の症状は改善された。
ベトナムZippo
1970年代、ベトナム戦争で反戦ムードが世界的に広がる中、戦う意義を無くした兵士達が、戦争の虚しさや、悲劇、遠い故郷、残してきた家族や恋人を想って、数少ない私物の一つであったZIPPOライターの表面にメッセージや素朴な図柄を彫り込んだ。それらは後にZIPPO収集家達から通称「ベトナムジッポー」と呼ばれプレミアムが付く。入手困難であると同時に多くの贋作が出回る奇異なZIPPO。
ベル・コーギャン
1938年、Zippo社はデザイナーによる特製ライターという革新的な試みをスタートさせます。中でも幻の名品と呼ばれるKシリーズは、優れた陶磁器製品の数々を造り出したことで有名な工業デザイナー、ベル・コーギャン "Bell Kogan"によってデザインされたものでした。
ボトムズ・アップ
通常ボトム(底面)にある刻印がトップ上面にも刻印された新ケース。上面の刻印は底面と異なり、ボトムズ・アップの「B」刻印がある。2008年に登場した。
ボトムコード
ZIPPOライターのボトム(底部)に刻印されている記号、又は文字列の総称。ボトムにはZIPPO社のロゴの他、製造年月、生産国などが刻印され、材質を表す刻印もある。ロゴ右側のローマ数字やアラビア数字は、ヴィンテージライターの製造年を特定する際の判断材料のひとつとなっている。また、ロゴ左側のアルファベットはロットの品質、又はライターのグレードを表すものではなく、製造月を表すものである。
ボブ・ゲーリー
ZIPPO社2代目社長。創業者ジョージ・G・ブレイズデルの逝去を受け、1979年に就任。1986年まで社長を務めた。